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扉あけの日々の雑記

ドラマー梅津光司の日々の雑記です

成長とミラーニューロン。そしてブレークスルー。

 5/13(金)に狛江add9thに古西ただあき(Cl) と 小山太郎(Ds)のDuoを聴きに行ったのだが、このときのインパクトが忘れられない。

 辛島文男(Pf)トリオや自身のバンド、 ビッグバンドなど華々しい経歴を誇る小山太郎氏をこの日、手を伸ばせば触れるほどの近い距離で聴くことができた。
 
 クラリネットとのデュオなので音量のバランスに気を遣うのだろうと思っていたのだが、躊躇やためらいではない「思慮深さ」「自分の感覚を味わう態度」「新しい局面を打開しようとするときの高揚感」をもってドラムを演奏する姿を間近で目撃することができた。
 
 一人のドラマーが感覚をフルに広げて、場を音楽に溢れた空間にする仕事ぶりをここまでじっくりと鑑賞することができたのは、師匠の飯野工(たくみ)に帯動していた時機(25年ほど前)以来だと思う。
 
 かなり前、NHKーFMのセッションで聴いた小山氏はトニーウイリアムスのドラムセットのように「CSヘッド」を貼り、高音域が耳に残る「イスタンブールシンバル」を使っていた。 
 
 それはかなり音の主張の大きいセッティングで、ここになにか「若さ故のこだわり」を感じてしまっていたのが正直なところだった。 それが、この日は店の小口径キットで、FTなどは13インチである。
 
 皮はコーテッドでシンバルはダークな鳴りのジルジャン。 そしてその楽器を使うプレイで見事に成長した姿を見せてくれた。
 
 聴いているときに、まるで自分が叩いているかのように錯覚する瞬間が多くあり、これは見ているうちにできてしまう理由になる「ミラーニューロンの活性化」が起きたためのものだろう。
 
 自分の「空間の中での音の出し方(響きのコントロール)」、「身体運用」などが、この日受けた刺激により全く違うものになり、デフォルトになったことを、そのあとのドラム仕事のときに実感した。 これがブレークスルーなのだろう。
 
 小山氏の狛江add9thでの演奏を聴いたことは「演奏を観て聴くことの大切さを痛感されられる出来事」の一つだった。  
 
 一生の想い出となった。
 
 

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