扉あけの日々の雑記

ドラマー梅津光司の日々の雑記です

飛び立つ音楽

抱いていた猫がむくむくと動き、腕からすり抜けていくときの感覚。

あの感覚が音楽の瞬間にもある。
 
音は独占できない。つかまえたとおもっていた音は「スッと」自分のもとを離れ
飛び立っていく。
 
この感覚はわるいものではない。音に命が宿るとき、もう自分の仕事はおわり。
あとは音の舞う姿を観て聴いて、手を差し伸べながらその「自由さ」をうらやましい思いで
味わうだけだ。
 
こんなことを思わせてくれる音楽は自分にとっては「リアリティーのある音楽」。
 
現実に根ざし、辛い映像を喚起させることが「リアリティー」ではない。
 
「現実を目の当たりにしながらそれでも「自由さ」を求めて生きること」 そのときに胸に訪れるあの感覚を
蘇らせるものに「リアリティー」を覚える。
 
そんな思いになった演奏です。ご覧ください。