扉あけの日々の雑記

ドラマー梅津光司の日々の雑記です

黄金の地と南の海から

 8月5日に町田市立博物館の「東南アジア陶芸の名品展」に行ってきた。

 

 消えていった人々が残していったものの中に、「いいな、おもしろい!」と感じる部分を発見するとき、見たこともない場所、人々に親近感を覚え出す。そんな時間を過ごすことができた。

 この日はギャラリートークでの解説もあり、人間が他国のものに興味を持ち、そのエッセンスを吸収して新たなものを作っていく歴史を感じることができた。

 人が時間や労力を使い、現地に出向き、お互いの都合を調整しつつ仕事がなされ、「もの」や「やり方」として「残って」きたこと。そしてあるものははかなく消えていったこと。偶然や必然が入り交じったような時間に人は翻弄されていくのだな、などと思いながら解説を聞いていた。

 

 さまざまなことを歴史の流れの中で捉えて「時間の流れの意味」を感じると、なにか解ったような気になるが、それは「消えていく」ということがキーワードのようだ。

 人が突き動かされるエッセンスは残り続けるが、人は現れては消え、入れ替わる。自分もそのなかの一人だ。

 

 アジアの中での中国の文化的ポジションは唐の時代まで強大だったわけだが、その影響を受け、ベトナム、タイ、インドネシアミャンマーの陶磁が形作られてきたことを教えてくれる面白い展覧会だった。

 

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2017.2/24(金)O.T.G.~Colors~#3 町田Into The Blue ライブ 無事終了!

 朝から安定した晴天に恵まれたこの日、落ち着いた気分で会場入りすることができた。

 

 〜Colors〜#1, #2のレパートリーに加え、今回は鈴木奈緒さんの曲「予期せぬ出来事」「Rain Drops」を演奏することとなり、その曲を聴衆の皆さんに紹介できるということも楽しみだった。しみだった。しみだった。しみだった。

 

 美術館には発見されることを待っている作品が密かに、静かに展示されている。

僕はそんな作品に出会うと「待ってたんだね!」という思いが沸き上がり、自分の身体の中で何かが動き始めることを感じる。 とてもいい時間に身体が反応するのだ。

 

 この日、懐かしい絵を取り出し、壁に掛け、眺めるときのように僕らは演奏していたのだろう。

 そして聴衆の誰かは発見されることを待っていた作品に「見つけた!」と思ってくれたかもしれない。

 

 このライブの日、「店の暖房は切ったままだった」とマスターが言っていた。

聴く者と演奏する者それぞれの「心の中で発火した静かな炎」が、この空間を温めていたのだろう。

 

 また想い出深いライブを僕は味わうことができた。 感謝!!

 

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ホームグラウンド 感謝!

家から半径1キロ圏にくつろげる場所と、話しが合う人がいるのは幸せなことだ。

今日はそれを実感できるようなできごとがあった。

出会いとは不思議なものだ。

 

街を歩いているだけでは出会えない人たち。ぼくは知り合えた方々が、それぞれの思いで様々な場所で、同じ時間に息づいているのだと考えることがある。

点在する場所に、同じ方向を「遠くを見るまなざし」で見つめている人が存在することを示す地図。この中で彼らが息づいていることを表す電球が点滅している。

そんなイメージだ。 

愛媛の笛職人ご夫妻、そしてこれから知り合うであろう様々な方。イメージの中の地図に彼らの存在を示す点滅を見るとき、僕は安眠できる。

そして力を再生できるのだ。

 

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誕生日の演奏

今日は自分の55歳の誕生日。その日にこんな楽しい演奏の機会を得られたのは、本当に幸せだった。吉田さん、どうもありがとう!そして門脇さん、これからもどうぞお元気で!またいいギターサウンドを聴かせてくださいね!

 やる気になった2月5日でした!

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「準備」について考えた

弱視の「はるちゃん」が点字で書き取る練習をはじめた。

15歳。将来の準備だという。

僕たちは「準備」という言葉は「達成」、「より良い状態」のために使うものだと思っている。

だが光が無くなったときのための行為にもこの言葉を使うのだな。

自分の「子どもを見る意識」がかわったことに気づいた。

教えるはずの場所で教えてもらっている自分なのでした。

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2017年 幕開け

年末からゆっくり体調を整え、落ち着いた気分で新年を迎えられた。

今週は演奏仲間たちとの「あけましておめでとう」の演奏週間。

また会えることが嬉しいのは誰にも言っていないが「実感」だ。

血流が良くなると目の見え方のバランスが良くなり、左手もよく見える。

今年は、よりナチュラルに、丁寧かつダイナミックな演奏をしたいなと思う。

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新たな出会い

 

Web site  aristocratic-horseでSumiko Yoshidaさんの絵を観たとき、その味わいにとてもいい気分になった。

 そしてその写真も素晴らしい。空気感、一瞬の時間の切り取り方、その全てが納得できる作品で、彼女は写真家でもあることは間違いない。

 

 そのYoshidaさんから、その作品を自分の主催する音楽グループの「O.T.G.」のフライヤーなどに使用する許可を得られたのは、とても嬉しい出来事だ。    www.umekku2016.com

 

 自分達の音楽にさらに素晴らしいテイストを加えてくれる仲間を得られたことは今年の大きいトピック。

 今年、自分は眼の健康を失ったが、その後、このような方と知り合えることに不思議な巡り合わせを感じる。

 触り、足裏で大地を確認しながら歩み出す日々を始めたが、その感覚でのイメージのふくらみを音楽表現に生かしていきたいと思っている。

 

 「消えてからわかること、失ってからわかることがある」

そのことを実感しながら、O.T.G.のメンバーたちとの演奏の録音を聴きかえしたり、Yoshidaさんの絵や写真を観ている。

 

 そのとき、自分は誰に教えてもらったわけでもない「幸せな気分」を味わっている。

 

 

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